イクメンとは?イクメンという【言葉】が社会を変える

子育て

こんにちは。
2020年8月から2児の父親になる令パパです。

突然ですが、質問です。

わたしは子どものオムツ替えをします。保育園の送り迎えをします。一緒にお風呂に入ったり一緒に寝たりします。

わたしは「イクメン」でしょうか?

わたしの答えは、【妻がそう思えばそうです。

男性が育児をするということは当然のことです。

そんななか、イクメンという言葉が世間にはどう映っているのでしょうか?

イクメンアピールをする男性、イクメンと呼ばれることに逆に眉をひそめる男性、イクメンという言葉にアレルギーを示す母親。

ポジティブなようでネガティブな側面が目立つこの「イクメン」という言葉の正体を考察します。

まずわたしの考えは以下です。

  • 厚生労働省が提起する「イクメン」という言葉が大企業を動かし、日本の家庭の在り方を変える「パワーワード」になる
  • 【親が育児をするという当然の行為に「イクメン」という名前を付ける】という一種の社会風刺によって、育児をしない男性にプレッシャーを与える。

そのようにわたしが考える理由を説明していきますので、お付き合いください。

イクメンとは

それでは、まずはイクメンとはなにか考えてみましょう。

イクメンとはなにか?

新米パパ
新米パパ

昨日オムツ替えしたらおしっこ掛けられちゃって…

上司
上司

オムツ替えだなんてキミはイクメンだな!

男性の職場ではこのような会話がされているのではないでしょうか。

多くの男性からすると、オムツ替え=育児の代名詞というイメージなのかもしれません。

それだけなら「世間のイメージはそんなものか~」でいいのですが、万が一そのパパがオムツ替えしか育児をしておらず、家に帰って「今日会社でイクメンて言われちゃってさ~」とにやけ顔をしようものなら

妻が、大根を切っている包丁に別の用途を思いついてしまうことは想像に難くありません。

妻からしたら、オムツ替えなんて育児の中のたった1%に過ぎない脳死でできるただの作業だからです。仕事でいうと、資料のコピーです。

一方、厚生労働省が子育て支援の施策として主導する「イクメンプロジェクト」というものがありますが、イクメンという言葉を以下のように定義しています。

イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと。

厚生労働省 イクメンプロジェクト

ただ育児をするだけではなく、「育児を楽しむ」「育児を通じて成長する」というところがポイントです。

ん~まだここまで見ただけだと、なんで男だけちやほやされるのかすっきりしませんね…

だれが言い出したの?

厚生労働省は、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりへの一歩として2010年6月30日に施行された新制度とともに「イクメンプロジェクト」を発足しました。

その動きの中で、長妻厚生労働大臣が少子化を打開すべく「イクメンという言葉を流行らせたい」と国会で発言したとされています。

出典:厚生労働省HP

男性が育児をしないという事実が少子化を助長しているということだと思いますが、もともとは男性がどや顔をするためでなく女性との育児バランスを見直すための非常にポジティブなワードとして登場したことがわかります。

当時の流行りワード「イケメン」からモジっているあたりがちょっとカワイイ(笑)

育児をする父親はイクメンではなくただの「father」

育児をする男のひと=father

まったくもってその通りです。

ではなぜ男性が育児をすることが特別な扱いをうけるのでしょうか?

父親は「稼ぐ」母親は「育児」という幻想

「イクメン」論争の原因の多くは「専業主婦」という言葉に代表される「男が金を稼ぎ、女は家事・育児をこなす」という役割分担のイメージからはじまるでしょう。

しかし、実際には役割で分担することが果たして適切でしょうか?

ここで質問ですが、

夫であるあなたは、「俺は稼ぐために小さいころから努力をした」「俺より給料の低い妻はその努力をしていないからだ」と、「家事・育児をしない」ことを正当化していないでしょうか?

この記事を読んでくださっている方々は、家事・育児に前向きな方なのでそんなことはないと思いますが、家事・育児を時給換算して夫のほうが貢献していれば妻がもっと頑張るべきだと考える男性は多い模様。

仕事は、対大人であり精神的な負担をコントロールできる世界です。

育児は、対乳幼児であり精神的な負担をコントロールできない世界です。

精神的な負担に対する対価は時給換算できません。まったくの別軸です。

仕事と育児は別物と明確に認識したうえで、夫婦で育児に取り組んでいきましょう♪

自称イクメンの正体

さて、少しはなしが逸れましたが「イクメン」のはなしに戻ります。

今回、「イクメン」の使われ方をSNSで調べてみたところ、非常に興味深い実態が浮き彫りになりました。

「イクメン」はネガティブワードであったということです。

SNS上での「イクメン」の使われ方

Twitterで「イクメン」と検索してみてください。

見事に女性の悲痛な叫びが並びます。

このような結果を眺めていると、「イクメン」がポジティブワードとして使われるイメージがなかなか沸きません。

10年後も検索結果は変わらないのではないでしょうか。

SNS上に生息する「自称イクメン」

一方で、悲痛の叫びの合間に登場するのが「〇〇@イクメン」という男性のアカウントです。

プロモーションと思われますが、その印象操作が成功しているのかは疑問です。

※こちらは引用を控えますが、ぜひご自身でもTwitterで「イクメン」と検索してみてください

イクメンという言葉が社会に及ぼす変化

どうやら「イクメン」という言葉は厚生労働省が定義する「育児を楽しむ」「育児を通じて成長する」というイメージとはかけ離れた形で使われています。

では、果たして「イクメンプロジェクト」は失敗しているのでしょうか?

「イクメン」とは一種の社会風刺

「イクメン」という言葉がポジティブかネガティブかを問わず、男性の育児参加率の低さを見事にあぶりだしたのではないでしょうか。

わたしは「イクメン」という言葉が社会風刺の役割を果たしていると思います。

”社会風刺”とは、社会の欠点を遠回しに批判することです。

父親が育児をしないという異常事態が黙殺されている日本の社会で、父親が育児をすることを「イクメン」という言葉で称賛する。

呼応するように「親が育児なんて当たり前だろ!!」という批判の大合唱。

厚生労働省の思惑通りかは謎に包まれていますが、この言葉があることで男性の育児参加率の低さを世に訴えるには最適なワードチョイスな気すらしてきます。

イクメンサポーターの増加と家庭の変化

個人のSNS上ではネガティブな評価が目立ちますが、一方、企業からするとプロモーションに最適なキャッチフレーズなのではないでしょうか。

実際に、厚生労働省の「イクメンプロジェクト」では男性への育児支援を力強く推進している多くの企業に対して表彰をしています。

企業側からすると「男性=仕事」という旧時代的な体質ではないことが強烈にアピールできます。

ほかの企業も追従していくことで、男性の育休取得がスタンダードになる。

男性が育休を取得することで子育ての壮絶さを目の当たりにし、子育ては夫婦でやるべきことを深く理解していく。

そんな連鎖が起きることが期待されます。

イクメンという言葉は存在するべきか

結論としては、イクメンという言葉は絶対に必要だし、もっと世間に露出していくべきだと考えられます。

そしてその役割は、「男性の育児参加に関する議論を巻き起こすこと」です。

妊娠から出産を経て、地獄の子育て生活をたったひとりで乗り切るのは本当につらいものです。

産後うつや自殺など悲惨な未来を助けるべきなのは旦那でしょう。

子育ては役割で分担できるようなものではなく、コントロール不能な精神的負担を強いられることは仕事の大変さとは全く別軸のもの。

ぜひ、育休の取得などを通じて家事・育児を積極的に実行していきましょう。

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